中国のホンダ工場でストライキです。

2010.05.30 01:25|アジア経済(韓国、中国)
前回、中国の労働環境について少し取り上げましたが、中国広東省にあるホンダ工場でストライキが起こっているようです。

ホンダのストライキ、背景に対日感情=日本人経営者では解決できない―海外メディア
2010年5月27日、広東省仏山市のホンダ部品工場のストライキが続いている。この影響を受け、中国にあるホンダの組立工場はすべて操業を停止した。海外メディアはストライキに注目、他の外資系企業に警鐘を鳴らすケースとの見方を示した。28日、環球網が伝えた。
マレーシアのニュースサイト・Asiaoneは、今回のストライキはすべての外資系工場に警鐘を鳴らしたとの専門家のコメントを紹介した。中国の組立工場でこれほどの規模のストライキが展開されれば、その衝撃ははかりしれない。
一部メディアは中国国民の対日感情が影響していると分析した。中国はその安価な労働力とストライキの少なさで、多国籍企業の製造業投資に最良の選択肢だったが、今回の事件はその前提をくつがえすものになったと米ニューヨーク・タイムズは分析している。また、「ひとたび日本が問題に巻き込まれれば、中国人の感情を逆撫ですることになる」と指摘。日本人経営者では事件を収束させることは難しいとの見通しを示した。
英フィナンシャル・タイムズは「中国におけるホンダ」と題した記事で、他地域から流入した外来人口の増加が影響しているとの見方を示した。外来人口の流入により、広東省の労働者は空前の賃下げ圧力にさらされており、もはや何も失うものがない状態にある。また同紙は、事件は「完全に自発的な」ストライキであり、背後で糸を引く存在が見えないとも伝えている。(翻訳・編集/KT)

どうも、日本人従業員との給与格差に対して不満という論調があるようです。

ホンダ日本人と中国人従業員の月給は50倍の差、中国メディアが怒りの報道
Y! 【経済ニュース】
 賃金への不満から南海ホンダ部品製造有限公司の従業員は21日夕刻に再びストに入った。同社に入社したばかりの杜園さん(仮名)によると、彼女の月給は約1000元(約1万5000円)ほどだが、日本人技術者の月給は5万元(約75万円)にも及ぶという。
 ホンダ自動車部品製造公司の低技能労働者の月給は、佛山市規定の最低賃金をわずかに上回るほどの給料であり、最近の物価上昇などが従業員の不満を爆発させたようだ。
 中国でも社内の従業員の給与で外国人と中国人で大きな隔たりがある点については、それぞれの国の労働力のコストが異なるという理由から当然のこととして認知されているが、今回のように同じ会社で働く従業員の給与が天と地ほどもかけ離れると、不満感が高まるのは必然といえよう。
 中国メディアでは「これほど対極な立場では、社内の内部管理も難しい」、「中国人スタッフによる自主的で創造性ある業務を期待することも出来ない」とホンダを痛烈に非難した。またホンダの給与体系に対し「やりたい者だけが残ればいい。不満なものは退社せよ」といった管理方針が反映されたものだとホンダの中国人スタッフへの配慮の無さを指摘した。
 当記事を執筆した中国人記者は「ホンダは、現地スタッフのことを、もともとから自社の従業員などとは思っておらず、ただ単に『労働力の一人』として遇しているに過ぎないのである。これは『血汗工場(過酷な労働環境で労働力を搾取される工場)』の管理方針のひとつである。」と怒りを露わにしている。
 当問題は自動車業界は現在中国国内でも大きな発展をしてきた一方で、中国人にはその利益が還元されていない現状が表面化したものと思われる。
 記者は労働者と企業管理層間における「給与調整のためのシステム」を構築することが先決で、特に外資系企業内で働く弱い立場にある中国人スタッフは、労働組合の職能や権利を確立し、外資系企業の上層部と、給与面について実際に交渉が出来る組合システムを早急に構築すべきとと主張しながらも、中国の地方政府が外資系企業に対する賃金の規定を徹底すべきと批判した。(編集担当:松村大介)


さて、さて、これだけ読むと、まるでホンダが特別にむごいことを中国でやっているように見えますが、実を言うと、そうではない・・・と思われます。

こちらの記事を読むと・・・

ホンダ広東省工場ストで中国生産停止、再開めど立たず 国内世論「支持」

ストライキの主な原因である同工場の給与体制は、中国人従業員の場合、基本給675元(日本円約9千円)に技能手当340元、及びその他の皆勤手当て、住宅手当などを合わせて、1510元(日本円約2万円)前後になっている。周辺の部品工場の平均月収2000元を下回っている。

とあります。

では、こちらは・・・

日本にもiPad(アイパッド)が上陸しましたが、このiPad(アイパッド)を組み立てている企業でもある富士康という企業があります。

中国:自殺者多発の台湾企業が20%の賃上げ実施へ 

 台湾の大手電子機器メーカー「鴻海グループ」の中国子会社「富士康」(広東省深セン市)で若い従業員の自殺が相次いでいる問題で、鴻海グループは28日、富士康の中国人従業員を対象に約20%の賃上げを行う計画を明らかにした。香港紙によると、中国指導部は事態を重視し、合同調査団を現地に派遣する一方、関連報道を抑えるよう国内メディアに指示した模様だ。【台北・大谷麻由美、北京・成沢健一】
 富士康では27日にも25歳の男性従業員が手首を切って自殺を図った。命に別条はないものの、これで今年に入って自殺を図ったのは13人。このうち10人が死亡した。
 富士康は世界的に有名な企業のIT製品を受託製造している。相次ぐ自殺を受け、米アップルやデル、ヒューレット・パッカードなど生産委託をしている企業も、労働条件の調査や加工賃の引き上げ検討といった動きを見せている。
 米市場調査機関の報告によると、アップルの新型携帯端末「iPad(アイパッド)」は、もっとも安いタイプで米国での販売価格が1台499ドル(約4万5400円)。アップルの利益は297ドル(約2万7000円)だが、原材料費を除いた富士康での加工賃は11.2ドル(約1020円)。
 富士康の若い従業員の月給は1000元(約1万3000円)前後で、残業代を加えても1600~2500元(約2万1000~3万3000円)だった。ロイター通信によると、計画通り賃上げを行った場合、労務費は約27億台湾ドル(約77億円)増加し、営業利益は10~12%減少するとの見方もある。
 一方、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、中国当局は27日夜、国内メディアに対し、富士康での自殺について独自取材を行って大きく扱うようなことをせず、国営新華社通信の記事を使用するように通達した。29日付の中国各紙はこの問題にほとんど触れておらず、影響の拡大を懸念する当局の意向に沿って対応しているとみられる。


しかし、アップルの利益率は、すごいですね。

というか、どういう委託加工費なんですか!!

道理でアップルの業績が飛び抜けている筈です。

アップルの決算表分析は、またの機会に譲りますが、どうなっているの?というぐらいの決算状況です。

まあ、それはともかく、ホンダの賃金が残業代別で住宅手当、技能手当、皆勤手当などを含めると1500元ぐらいになるのに対して、富士康の待遇の方がかなり悪いことになります。

だから、ホンダは悪くないということではありませんが、反日感情を敢えて煽るために、狙い撃ちされているのかもしれません。

中国政府が内政への不満感情を逸らすために反日感情を煽ることが常套手段でしたので、考えられなくはないと思います。

それだけ、中国の状況が悪化してきているという兆候なのかもしれません。

ちなみに、この「富士康」という企業については、以前ですがこんな記事を紹介しました。

失業者が2億人いる中国の就職戦線

記事の内容を信じるとすると、「富士康」という企業が特別にひどいわけではなく、むしろ人気企業になっているということです。

ちょっと引用すると・・・

さて、広東省では春節後は故郷に帰った“農民工(出稼ぎ農民)”の従業員が大量に戻って来ず、どこの企業も深刻な人手不足に直面し、従業員を募集しても応募がほとんどなく、対応に苦慮しているのが現状である。にもかかわらず、富士康の工場では連日のように数千人の応募者が押し掛けて、応募受付の順番を少しでも早めようという徹夜組が数百人単位で存在しているのである。彼ら応募者が徹夜をしてまで富士康に応募しようとする魅力とは何なのか。

自ら進んで残業を行うのが通例

 富士康は深セン市で最大の製造企業であるが、富士康の給与は決して高いものではない。富士康の従業員の大多数の基本給は深セン市の最低賃金基準である月910元(約1万2300円)であり、給与を増やすには残業代に頼ることになる。残業代は、平日は給与の1.5倍、休日は2倍、祝日は3倍で計算される。残業代を加えた富士康の従業員の給与は一般に1000~2000元(約1万3500~2万7000円)である。
 給与水準が高くないのに、富士康への応募者が多いのは何故か。それには深セン市がある珠江三角州において工場労働者が直面する給与問題が大きく影響しているのである。
 珠江三角州の工場では、就職した時に提示される給与は比較的高いのだが、いつの間にか給与の支給が1カ月、2カ月と遅れるようになり、年間を通してみると受け取った給与額は少ないという現象が普遍化していると言われている。そうなると、支給が遅れている給与を受け取らないでは工場を辞めたくとも辞められない。こうした悪循環の中で不満を抱きつつ働く人々が多く、そうした状況がいつの間にか人々の共通認識と化している。
 そこに人々が富士康に就職を希望する理由があるのである。「富士康の給与水準は低いが、給与の支給が遅延する可能性は少ない。給与を増やそうと思ったら残業すれば良い」というのが、応募者たちの富士康に対する思いなのである。
 こうして富士康に入社した人々は、この「残業をすれば給与が増えるし、給与は遅延なしで支給される」という前提の下、自ら進んで残業を行うのが通例である。


ホンダの給与が周囲の部品工場に比して安いというのは、実際のところは、こういうことなのでしょう。

富士康と同様に、給与の未払いや延滞が無い・・・だから、最初の給与の提示額が低くても、殺到する・・・

しかし、一体、どんな実態があるのでしょう・・・中国の労働環境というのは?

・・・・・

中国の沿岸部、しかも、最も発展著しいはずの深セン市で、これなのです。

過当競争で、給与水準は上がるどころか、下がりさえしている、その上、猛烈な物価の上昇が起こっているのです。

にもかかわらず、どうして中国内陸部で消費が過熱しているのか?

どうして中国人観光客が日本で買い物をしまくれるのか?

給与水準が桁違いに低いのに・・・・

その答えは、不動産バブルなわけですが、これが持続可能なわけがない。

続くか続かないか、そんな問題ではなく、いつ不動産バブルが弾け中国経済が奈落の底に突き落とされるのか、これが問題なのでしょう。

ホンダ工場でのストライキは、そんな兆候の一つなのかもしれません。

それはそうと、こんな給与で働かれてしまったら・・・どう考えても、日本国内に製造拠点を維持し続けるのは無理となるでしょうね。

・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
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そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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