労働者を豊かにしなければ、企業は投資できない・・・

2010.01.07 02:58|社会情勢
ところで、先日ですが、「国民福祉税、覚えていますか?」という記事を書きました。

ちょうどタイムリーに、その晩に、カンブリア宮殿「民主党幹事長 小沢一郎氏」という番組が放送されていたみたいです。

後で見てみたら、なかなか興味を惹かれました。

先の記事で、民主党政権下で、国民福祉税構想の実現が目指されていると指摘しました。

これが、高度経済成長期を終えて、少子高齢化の成熟期に入った日本では、より効果的な景気対策になるとも指摘しました。

増税は景気対策に不可欠みたいですね・・

消費税率の段階的な引き上げによるインフレ誘導とそれを財源にした再給付型の福祉政策・・・これが一体となることで、デフレスパイラルを脱却できる可能性が出てきます。

今の減税と購入補助による景気対策は、結局のところ、デフレを加速するだけです。

心理的問題ですが・・・

液晶テレビが32型でエコポイントがついて実質4万円台で購入できるようになりました。
では、このエコポイントが切れたらどういう心理が働くでしょう?
そう、それが5万円台にあがっただけで、割高感を持ってしまうのです。
結果、消費は落ち込み、企業の方は、もう4万円台以下でないと売れないと考え、さらなる値下げ競争が始まってしまいます。

そう、購入補助というのは、一時的な消費刺激にはなっても、そのリバウンドによって、もっと激しいデフレ誘導をしてしまうのです。

まあ、ここら辺の詳細な解説は別の機会に譲るとして、本題に戻ります。

緩やかなインフレへと誘導することで、この成熟期に入った日本社会は、それなりの安定を得ることができるのです。

高度経済成長期は、企業の収益をあげる事が所得の向上につながり、消費の拡大に繋がりました。

しかし、過剰生産のデフレスパイラルに陥っている今の成熟期の日本では、そして、グローバル社会化が進んだ経済体制下では、この論理は成り立ちません。

企業収益が上がっても、生産拠点が人件費の安い海外に移転しまうなどするので、必ずしも労働者の所得の向上には繋がりません。

むしろ、グローバル社会の中で、安い人件費の国の人たちと自分の労働力の商品価値を競争しないといけない日本人は、その価格競争力を失ってしまうのです。

企業は、グローバル化していますので、今の社会では、殆ど国境など無意味です。

ソニーは、既に外国人が過半数の株式を保有する外資系企業です。

日本発だろうが外来企業だろうが、日本で経済活動をする意味では、何ら変わらないのです。

今の日本の社会で問題なのは、企業の競争力ではなく、労働者の価格競争力をどう向上させるか、なのです。

それには、消費税を一律にかけ、その税率を段階的に上げ、それを使って所得補填をすることが最も理に適っている。

カンブリア宮殿という番組で、小沢氏はこう言っています。

小沢:みんなで働いた国全体の富で、できる限りセーフティーネットをあらゆる分野で作って一定レベルの所得と生活ができる仕組みを用意しておくことが一番大事

これを実現するにはどうしたらよいのか?

企業の視点ではなく、労働者の視点から見ないといけない。

過剰生産による価格競争で利益率が圧迫され、人件費の抑制をせざるを得ない企業に人件費を維持させるように働きかけるのではなく、価格下落分の利益を政府が一律に税金として徴収して、政府がそれを労働者に再配分することで、所得を補填する・・・こうしなければ、市場で価格を自分たちでコントロールできない企業には、労働者の所得を保証させることは無理です。

これは、公的機関である政府以外にやれないことです。


小沢:国民の所得と雇用を安定させる仕組みを政府が作ってやることで、結果として国民の経済活動、消費活動が活発になる。

労働者が一定レベルの生活を保障されることで、貯蓄から消費へと消費者心理が移行することもできるのです。

小沢:日本のGDPの6割が個人消費で、アメリカでは7割・・・だから個人が将来的にも安心して安定して暮らせるような配分と仕組みを作っておけば、個人消費は必ず大きくなると思っている。

小沢:今は雇用の心配はあるわ、年金の心配はあるわ、医療は病気になったらどうしようかとか、自民党政権かでむちゃくちゃになってしまった。だから自分で財布の紐を締めて老後のことを蓄えておかなきゃならない。となると、結局消費が減っちゃう。だから景気全体が悪くなる。


自民党政権は、高度経済成長期の論理に支えられ、育てられて来ました。

だから、高度経済成長期から成熟期に入って、その政策方針を転換しないといけなくなっても、それができず、旧態依然の経済対策しかできなかった。

高度経済成長期には、公共事業主導で、企業優先の政権運営が適していたのです。

しかし、時代は、バブル崩壊を境に、一気に成熟期に入ったのであり、この政権運営では、政府の財政も自転車操業になり、国民生活もジリ貧になっていくばかりなのです。

成熟期には成熟期に適した政権運営というものがあるのです。

小沢:田中先生も金丸先生も竹下さんもコンセンサスをできるだけ作る。「足して二で割る」大名人だった。僕もそのテクニックは免許皆伝で、よく分かっている。
その時代は、それでよかった。今は世界的に変化の時代に、日本の足して二で割るコンセンサス社会 難しい問題は玉虫色にして先送りにする。そのやり方では荒波を乗り越えていけない。だから「反面教師」。今3人の方を尊敬しているが、今の時代にその手法は通用しない。

小沢という人は、この時代の変化を先見的に感じ、捉え、その変化に適応しようとしているのでしょう。

ちなみに、今のところ、国民福祉税どころか、消費税率を上げるとも全く言っていません。

でも、子供手当てなどの所得補填型の給付制度を永続させるためには、永続的な財源が必要です。

これには、消費税以外に道はないのですが、今のところ何も言っていない。

???と思われるかもしれませんが、この番組で、こうも言っていました。

小沢:子供手当てだって現実にもらってみないと実感としては沸かない。~政権交代を実感してもらえたら、国民が分かってくれる。」

そう、子供手当てなどの給付を先行的に実施し、その必要性を実感してもらった後に、これを永続的に続けるための財源として消費税が必要だと訴え、国民に理解してもらう!!・・・恐らくこういう戦略なのでしょう。

小沢という人は、やっぱりドラマ「不毛地帯」の主人公壱岐正のような人だと思います。

壱岐正もマスコミに嫌われ、里井副社長という世で言う保守的な上司タイプに嫌われ、社交的ではなく、でも、卓越した戦略能力で、結局は頼られる存在となっていく・・・

番組で、村上龍がこう評していましたね。

日本の政治家には珍しく 論理的だが口下手で、経済から外交まで 三次元的な構想と戦略を持っていながら演説は苦手で、頭は切れるが社交的ではなく、基本的にシャイな人だ。

ドラマよりも、こちらの方が面白そうです。

そうそう、ドラマ「不毛地帯」で、壱岐正の抵抗勢力のような役割を担っている里井副社長ですが、決して悪者でも愚か者でもなく、これまでの自分の経験と実績を強みに這い上がって来た人の当然の対応をしています。

高度経済成長期に経験と実績を積んだ自民党の中枢の人たちのような存在とダブルと思います。

経験と実績は、強みにもなりますが弱みにもなる・・・もうちょっと詳しく言うと、平時には強みとなりますが、変革期には弱みとなるのです。

長くなりましたが、最後に・・・

民主党の生存バイアス - 池田信夫

企業は、株主のものではない・・・正確には、株主だけのものではない。

企業は、社会の公器でなければならない・・・松下幸之助氏が告げている通りです。

企業を助けることが労働者も助けることになった高度経済成長期と違う成熟期の今の日本では、「企業の投資を阻害して、労働者を豊かにすることはできない。」という論理は、必ずしも成り立たない。

むしろ、こう言えるでしょう。

労働者を豊かにしなければ、企業は投資できない・・・と

                    ・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
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そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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