「三種類の日本悲観論を考える。」への反論・・

2009.09.08 01:08|社会情勢
さて、本日は、こんな記事に対して反論してみたいと思います。

三種類の日本悲観論を考える。

このブログをずっと読んでいる方でしたら、私奥の家♂の見解は、ほぼこれと真っ向から対峙していることはご理解いただけると思います。

もう引用してしまいますが、まずは読んでみてください。

 日本悲観論の中で最も影響力のあるのは財政破綻論だろう。日本政府の債務はGDPの170%以上に達しており、日本の破綻は不可避だという。「破綻」の内容は、ハイパー・インフレを含めて複数あるが、日本におカネを置いておくことは危険だと主張する。
 確かに、日本政府の財政は普通ではないが、財政破綻の危機にあるとは決めつけられない。
 まず「純債務」で見るとGDPの6割程度でイタリア並みだ。
 また財政破綻の可能性が大きいものなら、なぜ日本の国債にこんなに買い手がいるのか。10年国債の利回りは現在1.5%を切る。しかも、日本国債の9割以上は国内の投資家が保有する。かつてのアルゼンチン、韓国のように海外投資家の動きで危機に陥る心配は乏しい。それに、日本の国債残高の最適に関する議論は(少なくとも認められた結論は)存在しない。じつは、日本の国債はこれでもまだ不足なのかもしれないのだ。
 一時はアフリカの小国ボツワナと同格付けとされた日本国債の信用格付けだが、格付け会社ムーディーズは、昨年、今年と一段階ずつ格上げした。この間、金融危機に不況に財政赤字の拡大とよい変化はなにもなかった。はっきりいって、これはもともとが間違っていたのだろうが、彼らが認識を改めざるをえない状況であることは重要だ。
 加えて、現在、不況とともにデフレ(物価下落)が問題だが、デフレとは国の債務である貨幣価値の上昇であり、意味的には、国の債務への過剰な信認だ。それに、「長期金利が上昇したら大変だ」と言う人もいるが、不況でデフレでは金利は上昇のしようがない。
 日本の財政に問題がないとは言わないが(問題は歳入側よりも歳出側にある)、現在の状況が財政危機で日本国債が危ないというのはあまりに「金融音痴」の言い草だ。


まず、ここでGDP比でどれくらいという論拠が使われています。よく、GDP比で何%という指標が使われますが、これは、実を言うと、あまり意味がありません。

私の場合、日本政府の債務がGDP比で170%以上に達しているから危険だとか、そんな観点では考えていません。

こんな喩えすると混乱するかもしれませんが、企業の時価総額というのは、あっという間に落ちることがありますね。

嘗て世界最強の企業と賞賛され、時価総額でも世界一であったGEの株価は、最高値の42ドルから6ドル程度まで急落しました。

ほぼ7分の1ですね。

これと同じで、名目にせよ実質にせよ、GDPは、その国の経済の現況は表していても、それが未来永劫続くとは限らず、急落することもあるのです。

そもそもGDPですが、GDPは、国民総生産のことですが、ウィキペディアによると、こうあります。

国内総生産(こくないそうせいさん、GDP : Gross Domestic Product)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額。ストックに対するフローをあらわす指標であり、経済を総合的に把握する統計である国民経済計算の中の一指標で、GDPの伸び率が経済成長率に値する。
原則として国内総生産には市場で取引された財やサービスの生産のみが計上される。このため、家事労働やボランティア活動などは国内総生産には計上されない。(この点は、国民総生産でも同じである。)こうした取り扱いの例外として、持ち家の家賃など帰属計算が行われるものがある(国民経済計算の帰属家賃の説明を参照)。また今期新たに生産されたのでない財(例:古美術品)の取引、最終財の原材料となる中間財の取引は算入されない。


この2008年の各国の順位は・・・

順位 国名 2008年
― 世界 60,689.81
― 欧州連合 18,394.12
1 アメリカ合衆国 14,264.60
2 日本   4,923.76
3 中国  4,401.61
4 ドイツ 3,667.51
5 フランス 2,865.74
6 イギリス 2,674.09
7 イタリア 2,313.89
8 ロシア 1,676.59
9 スペイン 1,611.77
10 ブラジル 1,572.84

米国の巨大さが際立っていますね。

もっとも、人口比で見ると、例えば、6千万人と日本の半分以下のイギリスと比較すると、これが逆転しますね。

さて、ここで少し不可解なことに気づきませんか?

製造業が斜陽していているイギリスなどがどうしてこの位置にあるのか?

それは、言うまでも無く、金融業があるからです。

GDPの産業別内訳を調べてみたら、英国よりも米国の方がデータを公表しているみたいですね。

米国の産業構造については、こちらをどうぞ!!

こちらの分析はとても興味深いのですが、米国経済を牽引していたのが金融・情報・不動産であったことが分かります。

英国などは、調べていませんが、恐らくより顕著でしょう。

何が言いたいのかというと、GDPとは、実体経済とバブル経済の総計なので、それが大きければ、それが経済の強さをそのまま現していることにはならないということです。

金融危機に見られるように、バブル経済の拡大は急速であり、その崩壊も急速です。

それに対して、実体経済の方は、底堅いです。

もっとも、実体経済の部分でも、より底堅いのは、生活必需品の分野であり、無くても生活に困らない消費財の分野の方は、比較的大きな影響を受けます。

という感じで、GDPの規模も重要な指標ではありますが、その中身がとても重要なのです。

当然、バブルの部分が大きければ大きいほど、それが弾けた時のりバンドはより大きい。

英国経済の危機を何度か取り上げましたが、第1次・第2次産業で底堅い強さを持つ米国に比べて、金融業が主要産業となってしまった英国の経済基盤は、実は、とても脆弱なのです。

ちなみに、お隣の韓国経済の脆弱さは、製造業が主要産業のようで、実は、パススルー経済による雇用なき経済成長、それを支える外資と株・不動産バブルが国内経済を支えていることにあるのです。

その逆に、現在の日本経済が最強だと言ったのは、高い技術力を必要とされる製造分野での圧倒的な世界シェアを確保しているからです。

デジタル製品の多くは、素材・部品の方に高い技術力が要求され、それを組み立てる工程には、むしろ安い人件費の方が求められます。

もう10年以上前によく言われていたことが、これからの日本の企業は、安い人件費で価格破壊が起こる世界市場で生き残るために、高い技術力で高付加価値製品を作っていくしかない、というものだったはずです。

現在、その通りになっていて、素材・部品・工作機械分野では、圧倒的な世界シェアを占めている代わりに、完成品分野では、存在感が薄くなって来ているのです。

おっと、脱線しすぎましたね。

話を戻すと、GDP比だけで論ずるなんて、あまりにも表面的過ぎるということなのです。

その数値の奥には何があるのか、もっと掘り下げる必要があるのです。

じゃ、日本の財政赤字の何が問題なのか?

それは、郵政民営化をテーマにした記事でも書きましたが、日本の国債の使われ方と買い手の構造にあります。

現在の社会インフラ整備は、経済成長の牽引役ではなく、健全な経済運営の負担となっています。

夕張市に見るまでも無く、借金によって箱物施設(観光施設でしたが)を作り、それが産業を作り出すどころか、とてつもない負担だけを残してしまう・・・こういう構図が、日本の地方で着実に進行しています。

この借金の財源は、郵貯などの預貯金です。

上の記事で、日本の国債にこんなに買い手があるのだから問題ないと論じていますが、この買い手が問題なのです。

民営化されましたが、国の管理下にある巨大な金融機関に預けられた資産が、まるで自分のお財布のように、選挙対策などのために、ばら撒かれたのです。

政府が発行する債券の買い手が実質的に政府なのですから、買い手に困るわけありません。

売り手と買い手がどちらも政府管理下にあるのですから、郵貯などに預けられた国民の資産が尽きない限り、どんなに国債を発行しても、それが札割れすることなどあり得ません。

そして、日本国民の預貯金は、まだまだ残っているのですから・・・・・

しかし、その資産は、着実に不良債権化していっているわけです。

公共事業などに費やされた事業費・・・・・それが返済可能な収益事業になっていますか?

まあ、そうなっていないことも、このブログで何度も取り上げました。

日本政府の借金が国内で消化されているから大丈夫なんて、幻想です。

確かに、消費者金融に借りるか、親から借りるか、その深刻度は格段に違いますので、むしろ他国よりも全然健全なのですが、それでも、借金は借金です。

事業に失敗して返せる見込みの無い借金がどんどん増えているのですから、このまま行けば、財政破綻するのは自明の理です。

繰り返しますが、欧米諸国に比して、日本政府の財政状況が悪いかと言われれば、否です。

ただいま、世界各国が財政破綻に向かってまっしぐらなので、そもそも他国と比較すること自体意味が無いのですが、日本政府の財政赤字が問題なのは、他国に比べて惨いからということではありません。

そうではなく、日本政府の財政赤字の構造が破綻スパイラルに入ってしまっているのが問題なのです。

それを是正するにはどうすればよいのか・・・・

まあ、これが構造改革だったはずで、政治家や官僚が好き勝手に使っていた資金源、すなわち郵政事業の預貯金を国内から解き放つことだったわけです。

国民に利息を払ってお金を預けてもらっているのですから、通常の銀行と同じように、それを運用して、利息以上の運用益を出すような健全な状態に戻すことがまず第一です。

メガバンクが海外での資産運用をしているように、現在の国内市場に、郵貯の巨額資金を受け入れられるだけの有望な投資案件は存在しません。

・・・・なんか長くなったので、続きは気が向いたら・・・


                  ・・・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
巷では、ノストラダムスの大予言で恐怖の大王だの、終末がどうのこうの・・・と話題になっていた、あの月です。
そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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