現代自動車の自爆マーケティング・・・補足

2009.07.24 02:06|アジア経済(韓国、中国)
今回は、ちょっと予定変更で、米国新車販売台数について取り上げてみます。

こちらの「現代自動車、さらなる自爆マーケティングをやるみたい」でも取り上げましたが、ガソリン価格保証キャンペーンの内容が、こちらで取り上げられていました。

現代自動車、ガソリン価格保証キャンペーンの裏側

 米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新の米国の平均ガソリン小売価格は、1ガロン(約3.8リットル)=2.52~2.91ドル(価格は地域により異なる)。そんな中、韓国の現代自動車(ヒュンダイ)は7月1日から、大半の車種を対象に、新車購入者が1ガロン当たりわずか1.49ドルでガソリンを購入できる特別なカードの提供を開始する。

 このキャンペーンは、現代と米テクノロジー・リスク管理企業プライスロック(本社:カリフォルニア州レッドウッドシティ)の提携で実現した。プライスロックは2008年夏にも、米クライスラーと提携して同様のキャンペーンを手がけている。今回のキャンペーンは、消費者とプライスロックにとってどのような意味を持つのか。同社のロバート・フェル CEO(最高経営責任者)に聞いた。以下はインタビューの抜粋である。(聞き手はBusinessWeek.comエディター、レベッカ・レイズナー=Rebecca Reisner)

―― 今回の現代自動車のガソリン価格キャンペーン期間は?

 8月までの予定だが、延長の可能性もある。

―― 価格を保証するガソリンの量に制限はありますか?

 現代は、キャンペーン対象車種の新車購入者に、1万2000マイル(約1万9300キロメートル)走行分を限度として、ガソリンを特別価格で提供する。平均では約600ガロン相当で、1万2000マイルというのは、米ドライバーの平均年間走行距離だ。

中略

―― プライスロックが、ドライバーに対して1ガロン=1.49ドルの価格を保証しているガソリンを実際に保有しているのでしょうか?

 プライスロックが行うのは、価格の保証であり、実際にガソリンを保有しているわけではない。当社はヘッジ取引により、ガソリン価格に上限を設けている。つまり、私がガソリンを大量に購入するとして、今後1年間は1ガロン=3ドル以上払いたくないとする。この場合、コールオプション(商品などを一定の価格で買う権利)を買えば、金融市場での価格上昇リスクを回避できる。プライスロックは金融市場で培った経験とテクノロジーを融合し、現代などの企業が行うこの種の価格保証キャンペーンを実現させている。

中略

―― 今回のキャンペーンが現代の自動車販売台数にもたらす効果をどのように考えていますか?

 クライスラーの場合と比較することしかできないが、87日間のキャンペーン期間中、クライスラーのディーラーへの訪問者数は30%増加した。このことから、現代の販売台数も相当伸びると考えている。 

中略

――現代の販売台数が予想を下回った場合、損失を被るのは誰ですか?

 リスクを負うのは当社ではなく、自動車メーカーだ。プライスロックはテクノロジーの提供やリスク管理を行うが、自らリスクを負うことはしない。ただ、ガソリン価格の高騰や販売台数の不振があったとしても、現代は、ガソリン価格の上昇で価値が上がったコールオプションを売ることができる。

ソース:日経オンライン



現代自動車の自爆マーケティングの内容が紹介されていたので、興味をそそられました。

まず、さすがにガソリン価格保証と言っても、無制限ではなく、約2万キロ走行分という制限を設けているみたいです。

でも、走行距離のチェックをどうするのかな?

ガソリンスタンドに、メーターをチェックしてもらう、というか、殆どセルフ給油のはずだから、そんなこと出来ないはずなのだけど・・・

それはさておき、このキャンペーンをしたのが、現代自動車が最初ではなかったというのが驚きです。

クライスラーで実施済だったわけですね。

クライスラー・・・・経営破たんしましたね(笑)。

プライスロックという企業が考え出したもののようですが、ハゲタカさんの一種みたいですね。金融工学を駆使して、キャンペーン効果とリスクを確率計算し、それを自動車会社に売り込んでいるのですから・・・

しかし、経営破たんしたクライスラーが採用したマーケティングをよく採用する気になりましたね、現代自動車さん!!

こうした販促キャンペーンをすれば、一時的な集客効果はあっても、その反動が激しく、まさに自爆します。

目先の集客を優先して、無謀な値引きをすると、薄利になって行きますので、それだけ多売をしないと収益が上がりません。

確かに、一時的には収支が改善します。

在庫処分が進む上、こうした販促は、失業保証にしても、ガソリン保証にしても、車を販売した後に、後から販促費用のツケが帰ってくるので、車の売上が先に計上され、その後長期に渡って値引き分の請求が来ることになるからです。

現代自動車が上半期善戦、営業益8110億ウォン

【ソウル23日聯合ニュース】現代自動車の上半期業績は、世界的な景気低迷にもかかわらず、世界シェア5%を初めて突破するなど比較的良好だった。
 現代自は23日に企業説明会を開催し、上半期の売上高を14兆1119億ウォン(約1兆639億円)、営業利益8110億ウォン、経常利益1兆2897億ウォン、当期純利益1兆368億ウォンと発表した。売上高のうち国内は7兆598億ウォン、輸出は7兆521億ウォンで、合計額としては前年同期比18.4%減、営業利益も31.9%減ったが、経常利益と当期純利益はそれぞれ9.9%、10.4%の増加となった。

 上半期の販売台数は71万9478台で、前年同期の90万8233台より20.8%少ない。国内販売は昨年末から続く需要委縮にもかかわらず、製品の競争力がアップした上、政府による税制上の支援もあり、前年同期と同程度の31万4639台(1.2%減)を記録したが、輸出は先進国市場をはじめ世界的に需要が減少したため、31.4%減の40万4839台にとどまった。また、第2四半期の販売台数は前四半期比27.4%増の40万3112台と不振をばん回したが、前年と比べると13.4%減っている。

 一方、上半期の売上総利益は前年同期比18.3%減の3兆1030億ウォンだったが、コスト革新努力の結果、売上原価率が小幅改善し78.0%を記録した。営業利益は輸出減に加えマーケティング費の負担が増えたため31.9%急減、営業利益率も5.7%と前年同期の6.9%を下回った。ただ、第2四半期だけを見ると、営業利益は8.1%で5年ぶりの高水準となり、純利益も8119億ウォンと四半期別で過去最高を記録した。

 特に海外での販売台数が上半期は150万台と、シェアが初めて5%を超えた。会社関係者は、欧米などの先進国市場でシェアが拡大しているほか、中国でも前年同期比56%増の25万7000台を売り上げ、同国での販売順位が4位に上昇したと説明した。

 会社側は善戦の要因として、▼ブランド認知度改善への積極的な努力▼販売地域の多角化を通じた販売の極大化▼現地特化モデル発売による顧客のニーズ充足▼差別化したマーケティング戦略――などを挙げた。


この決算を見ると、とても特徴的です。

現代自動車は、韓国政府の販売促進策によって、国内販売を前年比でほぼ維持しています。

そう、韓国政府が国策で販売促進策を行い、需要の先取りをしているのです。
日本の場合はエコポイントがこれに当たりますが、韓国内の購買力の低下が顕著であるにもかかわらず、無理やり下支えをしているわけです。

海外輸出に関しては、これが出来ないので、国内で確保した利益を米国市場などでの販促費用に回しているわけです。

結果、営業利益は落ち込んでいます。

ちなみに、製造原価に関しては、努力というよりも、鋼材価格などの下落によるものでしょう。

こうした販促マーケティングは、効果が持続している間に、需要が拡大していけば、それなりに成功を収めますが、その逆だと、真っ先に破綻します。

クライスラーが良い見本ですね。

こうした販促マーケティングの怖いのは、商品力ではなく、値引きによって買われているにも関わらず、販売量が一定確保できるので、生産設備の維持、それどころか、拡張に走ってしまうということです。

そう、薄利になるのですから、多売をしないと成り立たないのです。

値引きをして薄利になればなるほど、それだけ多くの台数を売らないといけなくなるのです。

というわけで、現代自動車の今年の販売目標は・・・・
 
韓国・現代自動車<005380.KS>、09年の販売台数目標は前年比7.9%

[ソウル 23日 ロイター] 韓国の自動車大手、現代自動車(005380.KS: 株価, 企業情報, レポート)のChung Tae-hwan最高財務責任者(CFO)は23日、2009年の販売台数について、前年比7.9%増の約300万台を目指す方針を示した。08年の販売台数は278万台だった。
 09年の米国全体の自動車販売台数については、08年の1200万台から970万台前後に落ち込むとの予測を示した。
 また、米市場における同社のシェアは、上半期の4.3%から、下半期には5.1%に拡大するとの見通しを示した。


はい、増やしているのです、というか、そういう目標設定をせざるを得ないのです。

こういう一か八かの自爆キャンペーンにすがるのは、現実の市況ではなく、殆ど手前勝手な希望的観測に寄ってしまう状況にあるということなのです。

これ、自転車操業に陥った人、ギャンブルに嵌る人の典型的な症例ですよね。

先ほどのプライスロックのCEOが言っていましたね。

どれくらい効果があるか保証できないが、クライスラーの時は、来店数が30%増えた、と!!

でも、自分たちは、リスクを負いませんし、リスクを負うのは現代自動車ですよ。

「こんな素晴らしい事例がありますから、やってみませんか?、でも、私はやらないけれどね。」というのは、まさに詐欺的勧誘の常套手段。

なんか、競馬予想師みたいですね(笑)。

そんなに確実ならば、貴方が馬券を買いなさい、と言いたくなります、本当に。

ハゲタカさん、金融工学という立派な名前をつけていますが、やっていることは、競馬予想と似たり寄ったりのことです。

血統、天候など等・・・可能な限り膨大なデータを分析して、確率的にどの馬が当たるのか、そういうのと変わりありません。

こういうギャンブル予想に、米国最高の頭脳が集っているそうですから・・・・

まあ、それはさておき、一ヶ月前の記事ですが、こんなものもあります。

米新車販売、5月は92万台 依然年1千万台割れペース
2009年6月3日10時16分
 【ニューヨーク=山川一基】米調査会社オートデータが2日発表した5月の米新車販売は計約92万台で、1営業日あたりの販売台数が前年同月比で約31%減った。前年同月割れは07年6月以来24カ月連続。年換算では991万台で今年最高となったが、依然1千万台割れの深刻な販売減が続いている。
 年換算の1千万台割れは今年1月から5カ月連続。1日に米連邦破産法11条の適用を申請したゼネラル・モーターズ(GM)は、法手続き終了後の黒字化の目安を「1千万台」としており、同社の再建計画にとっても厳しい状況だ。
 ただGM、フォード・モーター、クライスラーの米3社の減少幅は、4月と比べて改善。GMとフォードは購入者が失業した場合、一定期間ローン支払いを免除する販売促進策が貢献した。
 また、4月末に破産法を申請したクライスラーは、破綻(はたん)直後に導入した大幅な値引きが奏功。「政府支援と販売店の努力で予想以上の好成績だった」(幹部)と、経営破綻による販売への悪影響は否定した。
 一方、米3社ほどの販売奨励策をとらなかったトヨタ自動車とホンダは大きく落ち込んだ。昨年5月は、小型車に強い日系メーカーが原油高騰でシェアを急拡大したため、その反動もあった。この結果、米3社のシェアは46%、日系メーカーのシェアは39%となった。


ここのところ、GM、クライスラーの破綻も追い風になって、フォードが好調ですが、そのフォードも、失業保証キャンペーンをしているのです。

こうした販促キャンペーンを可能な限り我慢しているトヨタ・ホンダとどちらが生き残るのか、まだまだ目が離せません。


                     ・・・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
巷では、ノストラダムスの大予言で恐怖の大王だの、終末がどうのこうの・・・と話題になっていた、あの月です。
そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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