郵政民営化は、失敗だったのか??(完結編)

2009.02.17 22:07|社会情勢
さて、前回の続きです。

初めての方は、前編からお読みください。

そもそも、どうして郵政民営化が構造改革の本丸なのか、どうして自民党が割れるほどの大問題だったのか、このことを洞察していた人は、どれくらいいたのだろう?

劇場型政治と揶揄されていますが、ここら辺の突っ込んだ議論がマスコミで交わされているのを見かけたことがない・・・・まあ、私が知らないだけかもしれませんが・・・・

本来の郵便配達などの事業は、郵便局員さんには申し訳ありませんが、国の将来を左右する問題ではありません。

確かに、公共サービスの維持の問題はありますが、これが日本全体でどれほどの影響があることなのでしょう?

郵便料金が上がる?・・・・60円が120円になったとして、はて・・・・そもそも民間の宅急便がかなりのサービスをしていますよね。

僻地の郵便局が無くなる?・・・・これは、過疎地域に住む者にとっては大問題です。でも、日本経済という観点からすると、殆ど影響がない。都市の郵便サービスが充実され、むしろプラス効果を発揮するかもしれません。

私奥の家♂が住んでいた所(今も我が家の農場ですが)は、郵便局員さん泣かせのへき地でした。

ここら辺の事情は、「郵便局で、貧乏くじ扱いされてました。」の記事を見てください。

まあ、我が奥の家的には、こんな僻地まで届けてくれる郵便システムは、とても有意義に利用していましたが、極論言えば、宅急便さんもメール便で来てくれていましたね。

もし従来のサービスを維持したいのならば、それこそ税金で補てんすればいいだけの話(実際、小泉さんもそう言っていましたしね)で、これが郵政民営化の狙いではなかったわけです。

じゃ、何が問題だったのかというと、やはり郵貯と簡保だったのです。

ここにある膨大な額の預貯金をどう運用するか、これが問題だったわけです。

高度経済成長期からバブル期に至る(今でも、そうかな)まで、政府が行う特別会計の公共事業の資金源となっていました。

公共事業は、大抵国債を発行して行われているわけですが、この国債の購入先が郵貯などだったのです。

そう、郵貯は、政府のメインバンクだったわけです。

さあ、ここで思い出していただきたいのは、政府が行っている公共事業の収益性です。

収益性の高い事業の多くが民営化されたのもありますが、新規の事業の殆どが赤字事業です。

そう、費用対効果がとっても悪化しているのです。

つまり、とんでもない不良債権を抱えているのです、郵貯は・・・・

民営化以前の郵便貯金とかが黒字というのは、確かにその通りですが、見かけだけです。

そもそも郵貯の預貯金が何処に融資されていたのか?

それは、日本政府発行の国債です。政府の借金ですから、とりあえず返済はしてくれます。

もしこれを滞れば、それこそ国家破産、デフォルトになりますので・・・・

もうお気付きだと思いますが、結局のところ、公共事業の赤字が何処に行ったのかというと、国の一般財源なのです。

民間の金融機関であれば、融資先が赤字になれば、貸し剥がしをしたりして、ともかく資金回収をします。それができなければ、不良債権として自分のところが赤字になり、倒産してしまいますから・・・

郵貯の場合、国営であるがゆえ、結局のところ、政府が政府にお金を貸すという構造になってしまい、政府に赤字をつけておけば、郵貯はどんな赤字事業を政府がしても、必ずお金を返してもらえるので、容易に黒字を維持することができるわけです。

・・・・・

・・・・

・・



このままでいいわけありません。

マスコミも焚きつけていますね。政府の怠慢が財政赤字を生んだ・・・無駄をなくせ!!と・・・

じゃ、この構造を是正するにはどうすればいいのか?

①の増税も、②の資産売却も、③の紙幣の増刷も選びたくないならば・・・・郵貯の資金を活用して運用益を出せるようにすればいいとなりませんか?

そもそもの問題は、費用対効果の低い事業に融資したことで、運用損を出るような構造になっていることなのです。

郵貯の膨大な預貯金をもっと運用益が出るように活用することができれば、政府の財政赤字も解消される方向に進むことができるわけです。

ところが、ここで問題が生じます。

国内には、そんな費用対効果が高い事業可能性が見当たらないのです。

もしあったとしても、そんな事業には、民間の金融機関が融資しています。

もし国営の郵貯がそこに割り込めば、それこそ民業圧迫になり、問題となります。

政府の保証がバックにある郵貯は、金融機関としての信用度は民間の比ではなく、もしそれを武器に民間金融機関を押し出したら、それこそ本末転倒です。

とすると、何処に費用対効果が高い事業があるのでしょうか?

・・・・・

・・・・

・・



海外です。

日本の高度成長期がそうであったように、発展途上の場所には、とてつもなく収益率の高い事業可能性があります。

ここに融資をして運用益を稼ぐこと、これが選択肢として現れます。

ところが、国営のままでは、郵貯の資金をこれに使うことはできません。

政府直轄の国営金融機関であるがゆえ、そこには、日本国内のインフラに使うことが求められてしまうのです。

まあ、日本国内に投資をしていたら、たとえ赤字でも、国内にインフラという財産が残りますので、差し押さえができますから・・・・海外に投資したら、高速道路を持ち出すことができないように、不良債権になった時のリスクが格段に高まります。

しかし、もはや運用益を上げて行くには、それしか道がないのです。

そこで、郵政民営化が必要になって来るのです。

郵貯を民間金融機関にしてしまえば、運用先の制約は無くなります。

郵貯の膨大な資金を活用して、運用益を上げることが可能となります。
(もちろん、投資リスクも格段に上がるので、運用損が出る可能性もありますが・・・・)

しかも、郵政民営化は、②の資産の売却でもあるので、財政赤字を減らすことができます。

政府の財政再建のため、郵政民営化という選択肢が現れる理由は、こんなところだと思います。

そもそも、郵貯が抱えている不良債権(国債の赤字分)を解消するには、その他で利益を上げて補てんをすることが一番痛みが伴わない。

郵政民営化を遂行して、民間銀行にして、様々な融資先の一つにしてしまえば、他の融資先から得た運用益で補てんすることも自由になります。

・・・・・・・

また、逆の視点に立ってみると、公共事業を減らすということは、郵貯の預貯金の運用先が無くなるということでもあったのです。

この意味で、公共事業を減らして財政再建をするためには、公共事業を減らすと同時に、その資金源であった郵貯を国の権限から離す必要があったのであり、だからこそ、郵政民営化が構造改革の本丸とされたのです。

・・・・・・

こんな風に考えてみると、公共事業に依存している地方を地盤としてる道路族議員などが強固に反対したのも、うなずけるのです。

そして、郵政民営化を自民党が自ら遂行したことは、実を言うと、本当に驚きなのです。

自民党の支持基盤は、地方の建設業とかの公共事業関連の人たちが大きかったのですから・・・田中角栄さんの時代が最盛期だったのかもしれませんが、公共工事を地元に持ち帰ることで支持を得て来たのに、ともかくその自らの伝統的な支持基盤を脅かすような政策を遂行したのですから、びっくり仰天なのです。

これ、他の国ならば、少なくとも政権交代、下手をしたらクーデターぐらい起こさないとできないぐらいの変革です。

日本の場合、自民党が少し分裂したぐらいで終わったのですから・・・これはこれですごいことなのです。



                       ・・・・・・・・・・今日の徒然でした。


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