韓国の不動産バブルが弾けた時は・・・

2008.11.05 00:41|アジア経済(韓国、中国)
ところで、先日「韓国の摩訶不思議な賃貸制度“チョンセ”」という記事を書きましたが、続きを書いていませんでした。

韓国の住宅賃貸制度は、住宅の資産価値の5割~8割の現金を家主に預けることで、無料で借りることができる"チョンセ”というものが主流だそうです。

この制度は、その内容を聞いただけで、如何に危険なものか、すぐに分かりますし、韓国の不動産バブルの深刻さを窺い知ることが出来ます。

このことについて、少し紹介したいと思います。

まず、借主の立場から見てみてみると・・・・

その住宅の資産価値の5割から8割の現金というと、もし3000万円の物件だったら、1500万円から2400万円という大金になります。1000万円でも、500万円から800万円です。

こんな現金を持っている人がそうそういるとは思えません。とりわけ、20代、30代では尚更です。

ということは、すぐに推測されるのは、借金による調達です。若い世代でしたら、親からの援助ということでしょうか?

そういえば、韓国では、結婚にとても費用がかかると聞いたことがあります。

もっとも、親の援助にしても、当の親がそれだけの現金を保有しているケースは少ないでしょうから、結局、親が借金しているケースが多いのでしょう、きっと・・・

そして、この借金には、当然のごとく利息が付きます。韓国は、日本に比べて高利なのですが、これが出費となります。

つまり、チョンセでは、本来家賃収入として家主に支払われる現金が銀行(ひょっとしたら、消費者金融)に徴収されて行くのです。

もちろん、現金資産を有している人は、こんな借金をする必要は無いので無料となりますが、逆に言えば、その現金を銀行に預けておけば、利子をもらえるので、その分がやはり家賃費用に妥当することになります。

こうして、借主は、表面上は無料の賃貸契約を交わしているわけです。

では、その逆に、銀行から借りた現金が何処に行くかというと、家主の所です。

そう、借主は、家主に多額の現金を預けなければならないのです。

これは、とても危険なことです。

通常、2年間で契約を更新していくそうですが、銀行とかの金融機関ではなく、個人や会社に現金を預けるのですから、たとえちゃんとした契約書を交わしていても、もし破産とか倒産があった時、政府の預金保証とか連帯保証人とか、もしもの時の保証が無いわけです。

もちろん、2年後にちゃんと返却してくれたら何の問題も無いわけですが、さて、どうでしょう?

そもそも、家主は、借主から預かった現金をただタンスにしまい込んでいるだけでは、何の利益もないどころか、税金や修繕費・・・などの経費が償還できないので、赤字になってしまいます。

そう、家主は、この現金を投資して、運用益をあげていかなければならないのです。その運用益が家賃収入の代わりになるのですから・・・

その運用ですが・・・

銀行に預金するというのが一番手堅いのでしょうが、実を言うと、これだけでは不十分です。

そもそも、借主がチョンセ金を借金で調達しているとすると、家主は、その借金の利子以上の運用益を作り出さなければ、損をしてしまうからです。

なぜならば・・・この契約には、銀行が中間に介在しているからです。

たとえば、家主が5%の利率で1000万のチョンセ金を銀行に預けたとして、その運用益は、年間50万円です。借主がやそのチョンセ金を銀行から8%の利率で借りたとしたら、年間80万円の利子を銀行に払うことになります。税金とかを経費を考慮に入れず、単純に考えて、この差額の30万円が銀行の利益なるわけですが、もしこんな感じならば、借主が家主に年間65万円の家賃を支払った方が双方にとって得になります。

そう、銀行をわざわざ中間に入れているので、このチョンセ制度が通常の家賃制度(韓国では、ウォルセ)よりも有利な制度とみなされるためには、家主は、かなりの高利回りの運用益を獲得し続けなければならないのです。

では、何に投資が向けられるのでしょうか?

まず第一に、株式です。

実際、とてつもなく韓国の株(KOSPI)は2000年以降値上がりしました。

次に、不動産です。

このチョンセ制度は、そもそも不動産投機にとても向い易い性質を持っているのです。

家主は、マンション(韓国の場合、アパート)を購入する際、チョンセで貸すことを目的とすれば、その住宅価格の3割くらいの現金、もしくは借金をすれば、購入できてしまいます。

もちろん、このチョンセ金を銀行に預けてしまうだけでは、この不動産を持つことが損になります。

しかし、不動産価格が上昇していたら、どうでしょう?

2000万円の物件が2年後に3000万円になっていたらどうでしょう?

銀行にチョンセ金を預けていても、とてつもない含み益がそこに派生し、大きな運用益が派生します。

もちろん、これは、フェイクマネーで、バブルの典型です。

将来の不動産価格の上昇を見込んで、自分が住む以外の不動産を購入するのですから・・・

この流れは、一旦加速すると、そのバブルが弾けるまで、もう止めることができません。

家主は、チョンセ金という投機資金を、さらなる不動産投機に回し、そこから更にチョンセ金を得、それを更に不動産投機に回す・・・・こんなスパイラルが繰り返されることになります。

チョンセ制度は、不動産価格が右肩上がりで上昇し続けている間だけ成立する性質のものなのです。

しかし、人口や土地は有限なのですから、こんなスパイラルは早晩行き詰まり、結果的にバブルが崩壊します。

・・・・・

今、韓国では、マンションの売れ残りが深刻で、マンション価格の大幅な下落が始まっています。

そう、不動産バブルが崩壊し始めているのです。

・・・・

日本の不動産バブルもひどかったですが、あれは主に企業の事務所取得にかかわるバブルでした。

米国のサブプライムローンは、もっとむごく、低所得者に高金利で住宅ローン(さらには、自動車ローンも)を組ませるという、冷静に考えれば、全くあり得ないことが行われていました。

ヨーロッパのバブルも似たり寄ったりです。

しかし、韓国のバブルは、これ以上に、もっとむごいものとなるでしょう。

不動産バブルが弾けると、過剰なマンション供給に走った建設・不動産業者がまず破綻します。

その次に、不動産価格の下落で含み損を抱えることになる不動産投機に走っていた家主たちが破綻します。

その次に、こうした家主にチョンセ金を預けていた借主が破綻します。

ちなみに、家主が破綻した時、借主は抵当権を持つわけですが、その順位は、銀行とかの金融機関の次に置かれていることが多いそうです。したがって、不動産価格が暴落して資産価値が大幅に目減りした場合、銀行の次の抵当権まで現金が回る可能性は、とても低いのです。

最後に、借主にチョンセ金を貸し付けていた金融機関が破綻します。

・・・・・

ここまで書けば分かると思いますが、このチョンセという賃貸制度は、不動産売買だけでなく、不動産の賃貸に関わる現金までを投機に流してしまい、バブルを肥大化させて行くのです。

その結果、このバブルが破綻した時の被害たるや、日本や欧米のバブルの比ではないと予想されます。

不動産取得者だけでなく、不動産賃貸者までに及ぶのですから、国民総破産に近いものになる可能性が高いのです。

おそらく、不動産や金融資産や企業資産などは、ほぼ外国資本(主に、米国)に差し押さえられることになるでしょう・・・

この通りの結果になっているかどうかは、数年後には分かるでしょうが、もしこの通りの経過になっていたら、きっとこのチョンセ制度の愚かさが非難されていることでしょう。

そうそう、韓国の住宅ローンの比率があの米国の半分になるのも、もうお分かりだと思います。
韓国の場合、政府が住宅ローンの比率を規制しているのもあるのですが、チョンセという制度を隠れ蓑にすることで、不動産に流れているにもかかわらず、住宅ローンという形にはなっていないだけなのです。


                       ・・・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
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そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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