増税は最悪の経済対策なのか?後編

2009.12.25 00:48|社会情勢
さて、前回の続きです。

ちょうどタイムリーな記事が日経オンラインにありました。

約2700兆円の「国富」は見せかけに過ぎない

日本では、消費税と言うと、もう目の敵のように悪者扱いする傾向があります。

消費税率の上昇→消費の減退→企業収益の悪化→景気悪化・・・こんな構図を思い浮かべます。

ところが、よくよく考えてみると、必ずしもそうではないことが分かります。

消費税率の段階的な上昇と社会福祉給付金での還元をセットに行うと、デフレ対策になります。

デフレとは何か?

過剰生産が過当競争をもたらし、価格競争の末、企業収益が悪化・・・賃金の低下をもたらし、さらなる消費力の低下を招く・・・こういうことです。

この流れを止めるにはどうすればいいのか?

単純明快で、価格を維持することです。

価格を維持し、国民所得を維持することが出来れば、デフレの負の効果をなくす事が出来ます。

消費税率を上げるとどうなるのか?

過当競争で価格が下落し、利益率が落ち込んだ分、それに取って代わることができます。

そう、デフレ以前に企業に入っていたお金が税金となって政府に入るわけですが、お金の動く量そのものに変化がなくなるのです。

そこで、社会福祉給付金としての還元です。

これは、上記の記事にもあったように、子供手当てなどをもっと推し進めた「逆人頭税型交付金」とも呼べるものですが、消費税で徴収した税金を国民に再分配するのです。

すると、どうなるでしょう?

企業の収益は減りますが、実を言うと、国民の総所得は減りません。

なぜなら、企業収益が減った分が国に徴収され、その分が国から給付されるからです。

また、この給付配分も工夫のしどころです。

日本の膨大な預貯金の大半は、65歳以上の高齢者が保有しています。

この資金が日本国債という殆ど運用益もなく不良債権化しているような債権に融資されているのです。

これは、潤滑油という通貨本来の機能が滞っていることを意味します。

預金され、それが殆ど運用されずに浪費されている・・・・人間で言えば、血流が淀み、血が流れが悪くなっているということです。

そう、お金というのは、物流の潤滑油であり、経済が活性化する為には、お金がスムーズに流れていなければならない、これが健全な状態なのです。

消費税率を段階的に上げることは、インフレ効果をもたらします。

政府が段階的に消費税率を上げると決定すれば、人間の心理はどう動くでしょう。

インフレ傾向が印象付けられるので、税率が上がる前に、物を購入してしまうという心理が働き、結果的にさらなるインフレ効果を発揮します。

緩やかなインフレに向かえば、現金での保有は資産価値が下落していくことを意味していますので、資産価値の維持上昇を求めて、現金を他の資産へと動かすように誘導できます。

ですので、ここで動くお金は、実を言うと、殆どが資産家の方なのです。

買いだめができない生活必需品は、税率の上昇でもあまり影響を受けません。

とすると、淀んだ資産である65歳以上の預貯金を消費へと誘導することが出来、その一部を消費税として徴収し、それを本来の消費層、すなわち、住宅、子育てなどの購入層に再配分すれば、どうなるでしょう?

客数を増やすことが出来るので、売上が上がる・・・それだけ経済の成長が見込めることになります。

また、それなりの所得保障がされていれば、少子化にも歯止めがかかり、子供の数が増え、それが更なる購買層の増加につながります。

例えば、子供手当てが5万円あったとすると、二人いれば、10万円になり、これは、単純計算で、住宅ローンが組めるぐらいの金額です。

住宅、教育、自動車などなど・・・消費刺激策になるのです。

・・・・・・・

今の税制度は、高度経済成長期には適していますが、今のような成熟期には、所得に税金をかけるなんて、百害あって一利なし・・というぐらい愚かなものです。

所得から徴収されたら、過剰生産による過当競争の市場では、出来るだけ消費を先延ばしにして、現金で保有し、価格下落を待って消費するのが最も得な使い方になってしまいます。

高度経済成長期のような供給不足のインフレ状態の時は、この逆で、消費税などは愚の骨頂です。市場原理で価格が上昇していくのですから、消費税率を上げて、インフレ率を上げてしまっては、所得の上昇の方が追いつかず、経済を滞留させてしまいます。

では、今の日本市場はどうなのか?

言うまでもなく、前者です。

過剰生産で物が溢れ、猛烈な価格競争の中で、企業収益が悪化し、国民所得が落ち、それが消費力の更なる減退を招いているのです。

ここで所得から税金を徴収したら、しかも、それを箱物公共投資へと還元されたら、どうなるでしょう?

個人所得が低下し消費力が減退するので、企業収益はますます公共投資に依存するようになり、本来の経済の主役である民間消費がますます低迷してしまいます。

個人消費力を上げるには、公共投資ではなく、逆人頭税型交付金のようなものが最も効果を上げるのです。

段階的に消費税率を上げる方針を確定して安定財源を確保し、それを逆人頭税型交付金として還元することを約束する・・・こういう明確な方針が打ち出されれば、消費が促進されるのです。

こういう転換過程を先に進んでいるのが、実を言うと、北欧諸国などの高福祉国家なのです。

ちなみに、所得税を減らすのと一緒に、法人税率も下げることが肝要です。

消費税率を上げても、企業の運用にはあまり関係ありません。

過当競争による価格下落が企業収益を悪化させるのは、それがライバルよりも安いものを・・という競争にあるのであって、もしライバルもすべて均等に税金をかけられたら、競争条件に変化はおきませんので、売上は下がりますが、その分、人件費も下げることができるので、実質的な純利益は変わらないのです。

企業を介して国民に渡るか、政府を介して国民に渡るか、これが違うのですが、要するに、それだけなのです。

それに対して、法人税率は違います。

個人で言うところの所得税に当たりますから、これを上げると、グローバル社会の今は、企業が法人税率が低い国を目指して逃避してしまいます。

税金が高いイメージのある北欧諸国ですが、法人税率は低いです。

それに対して、日本の法人税率は世界トップレベルにあります。

と、まあ、日本の税制度は、高度経済成長期から変わらずあまり変化していないので、成熟期の今では、税制度が景気をブレーキさせているとさえ言えるのです。

・・・・・

こういう風に考えると、財務省の方針の意味がよく分かります。

自民党政権の時も、見識のある政治家は、国民に不人気なのが分かっていても、しっかり事情を説明して理解をしてもらい、消費税率を段階的に上げることを主張していました。

どうも、世のエコノミストの見解を聞くと、財務省や日銀をボロクソに言う人が多いですが、衆愚政治に陥りやすい政治家と違って、数十年の在職期間を見据えて考える官僚さんの方が、専門的によく研究されているように思います。

次回、今の国債依存型の景気対策が如何に逆効果か、このことについてさらに論じたいと思います。



                    ・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
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そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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