社会インフラ整備から社会保障の充実へ

2009.10.13 23:48|社会情勢
今回は、こちらの記事の続きです。

日本社会のニーズは、どう変化しているのでしょうか?

これについて考えてみたいと思います。

これまでの自民党政権では、道路、鉄道、ダムなどなど・・・・社会インフラ整備に対して、かなり積極的な投資がされてきました。

これが間違っていたのかというと、恐らくそうではないでしょう。

日本は、先の大戦で国土が焼け野原になり、社会インフラが壊滅的なダメージを受けたわけです。

さて、これを一家族に喩えてみると、土地はあるけれど、住む家は無く、食料も衣料も不足している状態ということになるでしょう。

そう、衣食住という生きるために必要な最低限のものが不足していたのです。

では、ここでまず何をすべきか?

衣服はぼろを着ても何とかなるかもしれませんが、食べ物(とりわけ、水)と住む家が確保されなければなりません。

それには、食糧・建築資材生産地の地方から都市へと至る輸送網、飲料水や工業水や電力を確保するためのダムなど、社会インフラ整備が優先されなければなりません。

年金や医療や教育よりも、まず今日を安心・安全に生きていくことが優先されるわけです。

もちろん、こうした社会インフラを整備するための資金を確保しないといけませんので、お金を稼がなければなりません、とりわけ海外から買わないと出来ないものが生じる場合は、海外に売るものを作らなければなりません、そう、産業振興ですね。

それには、国債の発行などの借金で調達する以外に道は無いでしょう。

これは、民間で起業する場合も、よほど遺産などで手元の資本金がある人を除いて、避けて通れない道です。

こうした産業振興(起業)が成功して利益を生むようになれば、さらに社会インフラに投資をし、それが更なる産業振興につながり・・・・という好循環に繋がり、高度経済成長期を迎えることになります。

日本は、こうした好循環を実現し、世界第2位の経済大国へと至ったわけです。

さて、この好循環ですが、永遠に続くことはありません。

社会インフラの投資効率は、どんどん低下していくからです。

国土と人口がどんどん増えていくのならば別ですが、決められた国土と少子高齢化が進む人口推移の中では、社会インフラの投資効率は、無限に拡大することはありません。

一家族(例えば、三世代同居の家族)に喩えてみると、自分の土地の上に、住居を立て、作業場を併設し、庭には畑を作り・・・・という作業をどんどんして行ったらどうでしょう。

人が食べられる食料には限りがあります・・・・飢えの中での労働は非効率ですが、十分な食事の中での労働が実現されれば、その内容が粗食であろうと高級食材であろうと、その労働効率に殆ど変化はありません。

人が必要な住スペースにも限りがあります・・・・狭い住居の中に押し込められていたら住みづらいでしょうが、広すぎても住みずらいものです。家を管理する使用人みたいないな人を別に雇うなどしないならば、人が快適に住める住スペースというのには限りがあるのです。

・・・・という感じで、更地に住居を建て終わったら、その後の増改築の利便性向上指数は、どんどん減少していくのです。

日本は、高度経済成長期に、田中角栄の日本列島改造論に象徴されるような猛烈なインフラ整備をして来ました。

それが一段落すると、どんどん投資効率が悪い案件しか残らなくなり、それでも尚社会インフラ整備を強引にやり続けた結果、バブル期の採算度外視インフラの乱発という事態になったのです。

・・・・・

漸く本題に入れそうです。

それなりに住み心地のよい住居、美味しい食べ物、溢れんばかりの衣服・・・・これらに満たされている状況下で、家族の人数が減っていく(少子高齢化)としましょう。

ここで、住居を増改築する人がいるでしょうか?

確かに、いるでしょうが、それは、虚栄心を満たすための贅沢であって、それ以上でもそれ以下でもありません。

もしこれまでの贅沢が祟って家計が苦しくなったとしたら、どうします?

それでも、贅沢をし続けますか?・・・・これは、破滅する人の典型的なパターンでしょう。

借金に借金を重ねることになるだけでなく、贅沢は未来を作りません。

むしろ、今の生活の維持と家族を次世代に繋げていく投資に向かうのではないでしょうか?

それは、年金、医療、教育という社会保障、とりわけ教育でしょう。

家族単位で考えると分かりやすいと思いますが、行政など外部からの支援がない場合、家族というのは、3世代が同居していないと維持できません。

老人には、生活の補助が必要になってきますし、子供には、当然親が必要です。

人の一生が子供、大人、老人と進むのですから、一生を終えるには、3世代が支えあうことが本来は不可欠なのです。

安定した生活が確保されている中では、もっとも重要な課題は、この3世代サイクルを持続可能な状態に維持していくことなのです。

国家という社会単位で考えると、それが年金、医療、教育などの社会保障なのです。

大黒柱となる大人の世代が老人と子供の世代を支えているわけですが、この大人の世代を再生産するためには、子供に投資をすることが不可欠です。

それも、大黒柱となり得るだけの生産性を生む出せる人材へと育て上げなければなりません。

・・・・・・・

現在の日本は、社会インフラ整備が一通り済み、その維持管理へとシフトできる段階にあります。

これ以上の社会インフラの整備は、多少の効率性の向上には繋がっても、劇的なものにはなりません。

リニア新幹線が出来て、東京-大阪間が70分程度で移動可能になっても、新幹線が最初に出来たときの経済効果には及びも付かないでしょう。

お金が有り余っているのならば別ですが、社会保障を犠牲にして社会インフラを整備することは、現在の日本社会のニーズには沿いません。

社会インフラ整備から社会保障の充実へ・・・このニーズの変化が国民の中に起こり、それが具現化したのが自民党の大敗だったのでしょう。

                  ・・・・・・・・・・今日の徒然でした。


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「原発解体 世界の現場は警告する」を見て・・・

2009.10.13 00:56|社会情勢
以前、「新エネルギーってどうなの??」という記事を書きました。

この記事の中で、原子力発電所のコストについて、少し取り上げました。

原子力発電の発電コストには、計算に入れられていないものがかなりあるということも指摘したのですが、先日NHKスペシャルで気になるものがありましたね。

そう、「原発解体 世界の現場は警告する」です。

原子力発電所の解体の困難さ、大量の放射能廃棄物の処理の難しさと管理コスト・・・・これが殆ど考慮されること無く建設されていたことが取り上げられています。

これが何を意味するのか?

それは、どれくらいの費用と手間、そして、エネルギーが必要とされるのか?、まだ誰も分かってはいないということです。

これまで火力発電所などと比較して安いとされていた発電コストには、解体コストと放射性廃棄物の廃棄コストが含まれていなかったのです。

しかし、原子力電発所の本当の発電コストには、これらの予想も付かない膨大なコストが待ち構えているのです。

番組では、原発解体の事例としてドイツを、放射能廃棄物の処理コストの事例としてイギリスを取り上げていました。

原子力発電所の解体コストは、700億円から1300億円に膨らみ、まだこれから先もっと膨らむ可能性があるわけです。

原子力発電所(25基)の解体と放射能廃棄物の処理コストは、イギリス全体で11兆円以上、これもまだ先にもっと膨らむ可能性があるわけです。

これもまた、金額ベースでの話です。

原発のエネルギー生産効率の観点から考えないといけないでしょう。

原発解体や廃棄に必要なエネルギーコスト・・・・原発解体に、放射能廃棄物の処分場の建設に必要な機械に使用する燃料などがどれくらいかかるのでしょう?

予測はされていますが、実際のコストが分かるのは、すべてこれからなのです。

・・・・考えさせられる番組でした。

二酸化炭素の排出量が少ない=環境に優しい・・・こういう公式は恐らく成り立ちません。



蛇足・・・・

国債依存症推進論者は、原発の負のコストがもたらす膨大な政府支出もまた、民間企業の売上となり、経済成長をもたらすので、全然構わないとでも言うのでしょうか?

これらの支出は、近い将来日本でも大きな負担となり、まさに赤字国債を発行してでも、何が何でも支出をしないといけないものとなるでしょう。

でないと、社会そのものが崩壊します。

景気対策の名の下に、使い道を精査することなく闇雲に赤字国債を大量に発行する必要が本当にあるのでしょうか?

                  ・・・・・・・・・・今日の徒然でした。


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1999年7月5日に四国に上陸しました。
巷では、ノストラダムスの大予言で恐怖の大王だの、終末がどうのこうの・・・と話題になっていた、あの月です。
そんな時、リトルカブに乗って、四国に移住の地を求めて彷徨う旅を始めました。

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